戸籍謄本の種類
1 戸籍謄本は、大きく3種類あります
相続の手続きでは、多くの場面で戸籍が必要になります。
戸籍には、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本の3種類があります。
それぞれに違う意味や、注意点がありますので、以下では各戸籍謄本について、ご説明いたします。
2 戸籍謄本(全部事項証明書)
戸籍は更新されていくため、古い戸籍は、「過去はこんな戸籍でした」という意味しか持ちません。
戸籍謄本は、「現在も有効な、一番新しい戸籍」を指します。
なお、戸籍謄本は、現在はコンピュータで管理されており、全部事項証明書と呼ばれています。
3 除籍謄本
除籍謄本は、「その中に記載されている人が、全員いなくなってしまった戸籍」を指します。
例えば、親と子が同じ戸籍に乗っている場合、子が結婚すると、子は新しい戸籍を作るため、親の戸籍から抜けてしまいます。
その後、親が二人とも亡くなると、その戸籍には誰もいないということになります。
その他にも、例えば、家族で本籍地を変えた場合は、新しい本籍地で戸籍が作られるため、元の本籍地の戸籍からは誰もいなくなります。
このような元の戸籍も、除籍謄本と呼ばれます。
4 改製原戸籍謄本
戸籍は、法律の改正によって、様式が変更されることがあります。
このように、法律の改正で、様式が変わる前の戸籍のことを、改製原戸籍といいます。
なお、改製原戸籍は、一般的には「かいせいげんこせき」と呼ばれますが、役所で手続きする際は、「はらこせきが欲しい」と言えば通じます。
5 相続の手続きでは、戸籍抄本は使えないことがあります
相続の手続きとして、不動産や自動車の名義変更や、預貯金の解約などがあります。
そういった手続きを行う際には、戸籍の提示を求められますが、戸籍抄本では手続きができないことが多くあります。
戸籍抄本は、戸籍謄本の情報の一部だけが記載された戸籍で、正式には、個人事項証明書と呼ばれます。
相続の手続きで戸籍を取得する場合は、戸籍抄本ではなく、戸籍謄本を取得しましょう。
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