遺産分割に関するトラブル解決方法
1 解決方法
遺産分割の方法には、「協議」「調停」「審判」の3つがあります。
協議とは、共同相続人が話合いを行って遺産を分割する方法です。
調停とは、協議ではまとまらなかった場合に、調停を申し立て、家庭裁判所で、調停委員が当事者の間に入って話合いを行う方法です。
審判とは、調停を行っても話合いがまとまらず、調停が不成立となった場合に開始される手続きで、裁判官が、各相続人の主張を受けて証拠調べ等を行い、法律に従って妥当な結論を決めます。
2 いつまでも遺産分割ができない場合の問題点
遺産分割が終わらないまま、相続人が亡くなってしまった場合、相続人の地位が、次の相続の対象となって受け継がれていくことになります。
例えば、当初の相続人が長男・次男・長女の3人だったものの、遺産分割が未了のまま長男が亡くなってしまい、長男には妻と2人の子どもがいたとします。
そうすると、当事者は、長男の妻・子ども2人、当初の相続人の次男・長女の5人に増えてしまいます。
当事者が増えると、それぞれの主張を考慮しなければならなくなるため、遺産分割協議が困難となりがちです。
問題を複雑にしないためにも、相続問題を次の世代に引き継がないようにすることが重要です。
また、遺産分割が済んでいてもいなくても、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知ってから10か月とされています。
申告期限までに遺産分割が完了していれば、それぞれが取得した相続財産の価額に応じて相続税を納めることになります。
申告期限までに遺産分割が済んでいなければ、いったん、法定相続分で相続したという前提で申告する必要があります。
このように、申告期限までに遺産分割が終わらなかった場合、実際にはまだ相続財産を取得していないにもかかわらず、相続税を納めなければなりません。
このことは、相続人にとって非常に負担となりますので、早期解決が重要です。